それは、社会系(地理歴史)教育評価論です。どの授業も力を入れているのですが、この授業には特に力が入りますね。複数の先生で分担して担当する授業も多いのですが、この授業は私の専門とする評価論について、私ひとりですべて教えられるので、つい力が入ってしまいます。
簡単に言うと、社会系教科(社会科、地理歴史科、公民科)の授業の学習評価の理論と具体を学んでいきます。子どもが社会系教科の授業の中で、「何をどれくらい理解できていないで、何をどれくらい理解できているのか。それは授業をする先生が期待していることと、どの程度一致しているのか」ということを、先生側がどのように把握して、次の授業へと活かしていくかについて考えていきます。そのために、評価するということはそもそもどのような理念、機能、目的、方法があるのかという一般的な評価の理論や歴史を学ぶとともに、社会系教科の様々なタイプの授業における学習評価の実際を見ていきます。
社会系教科の授業には、実はたくさんのタイプがあります。年号や人物の名前や各地の産物などを暗記させようとする授業もあれば、出来事の原因や背景を理解させようとする授業もあります。偉人や英雄の生き方に共感させ、そのような生き方をする人間にしようとする授業もあります。これらの授業を受けた生徒を、みな同じ考え方や方法で評価するわけにはいきません。それぞれの授業では身につく力、身につけさせたい力は違うのですから。つまり、授業のタイプによって評価の理論も具体も変わってくるのです。また、このように評価を考えると、それら様々なタイプの授業の特色と課題も見えてきますので、自分が先生として目指すべき授業のあり方を考えることにもなります。評価というのは、ただ、テストの点をつけて生徒たちに順位をつけることではないのです。